近年、特養では看取りケアに力を入れている施設が多く見られます。
特養には要介護高齢者の生活の場という役割の他に、「終の棲家」という重要な役割もあります。
どのような最期を望むのか、急変時に蘇生を試みるのかといった具体的な看取り計画を看護師が中心となって作成することとなります。
そもそも看取りとは、最期の時が間近に迫っている人に対して、延命治療などは施さずに自然に息を引き取るまでの過程を見守ることです。
看取りケアでは、まず「終の棲家」として特養を利用するにあたって、利用者とそのご家族に説明と要望を伺います。
先にも述べた通り体調が急変した時などの医療対応について、ご家族の考えを確認します。
そして最期の時までをどのような生活をしていきたいか、どのようなサポートを望んでいるかを利用者とそのご家族から伺います。
このような聞き取りを通して看取り計画を作成することになります。
その他にも看取りケアで重要なことは、住み慣れた部屋を清潔に保ったり、利用者の好きなものや家族の写真を部屋に置いたりして、安心安全で清潔な環境を整えることも必要になります。
そして、身体的・精神的な苦痛を緩和するためのケアも求められます。
また看取りを行うにあたっては利用者本人だけでなく、ご家族の負担を軽減できるようにケアすることも大切です。
看取り期は家族が付き添う場面が増えていきますので、付き添いがしやすいように環境を整備します。
利用者やそのご家族が希望する「自分らしい最期」を迎えられるように看護師をはじめとした特養の職員が協力して日常生活のケアなどを行っていくのです。